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見出しHEADLINE

相続分の指定


 
 Q 遺言書に「長男には財産の2分の1を相続させる、長女には財産の2分の1を相続させる」と書いてあります。これにはどのような効力があるのでしょうか?
 父が死亡し、相続人は私と長女の2人だけです。
 A この遺言には、相続人である2人の子どもに、それぞれ2分の1づつ財産を分けるということが書いてあります。
 この遺言が存在しない場合、相続人である2人の子どもは、法定相続分にしたがって遺産をわけることになります。
 長男と長女の法定相続分は、それぞれ2分の1なので、子ども2人で半分づつ遺産を分けることになります。
 
遺産を分ける場合の割合のことを相続分といいますが、上記の遺言では、遺言者が指定した相続分も法定相続分の同じ割合になっているため、遺言には特段の意味はないことなります。
 ただし、重要なことは、
法によって決められている相続分よりも、遺言者が指定した相続分が優先されるということです。
 たとえば、上記の例で、遺言に「長男には財産の4分の3を、長女には4分の1を相続させる」と書いてあった場合、長男は法定相続分である2分の1よりも多く遺産をもらうことができ、その分長女の取り分が少なくなります。
 遺産の総額に相続分をかけることで、各自の実際の取り分が計算できます。
 このように遺言で相続分の指定をすることで、法定相続分とは異なった遺産の取り分を決めることができます。
 このような指定をする場合には、
債務についても指定した相続分に応じて相続されること、遺留分を侵害するような指定をした場合、遺留分を侵害されたものから、多くの相続分を獲得したものに遺留分侵害額の請求がされる場合があることに注意が必要です。
 
 

 Q 遺言書に「全財産のうち長男に15分の14、長女に15分の16を相続させる」と書いてあります。どうなりますか? 
 A 15分の14と15分の16を足すと、15分の30となってしまいます。
 この場合、遺言の解釈が問題になり、必ずこうなるということはいえません。ただし、この遺言は直ちに無効になるのではなく、遺言者の意思などを推測し、14対16という割合の指定として解釈される場合もあります。

 Q 遺言書に「長男に財産の8分の1を相続させる」と書いてあります。どうなりますか?
 A 長男の相続分が8分の1と指定され、長男は、全体の8分の1しか相続分がないと解釈される場合もありますが、長男には全体の8分の1を追加的に与える遺贈であると解釈される可能性もあります。

相続・遺言 法律相談

弁護士馬場伸城
弁護士 馬場伸城
第一東京弁護士会所属
日本建築学会正会員
日本障害法学会正会員

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